ストーリー

【用語】

耶摩闘(ヤマト)一門・・・悪贄(オニ)を斬る宿命を背負わされた女系一族

巳加百(ミカド)一門・・・悪贄(オニ)を殲滅する使命を教え込まれている男系一族

悪贄(オニ)族   ・・・ 元は人間の亜種であり、人間の悪しき側面を持つ血族。その

歴史は鉄器が伝承された時代にまでさかのぼる。

叢雲(ムラクモ)学園・・・ 政府の設けた対悪贄戦闘訓練施設。

ヤマト・ミカド一門の少年少女らが、高校生になると入学し戦闘員としての養成を受ける。訓練によって心技体ともに目覚めた者たちは、伝説の刀らに認められ、悪贄を切ることができるようになる。

直刃(スグハ)   ・・・ヤマトの正当後継者「鬼切姫」が持つことが出来る神剣。

*鬼切姫は「悪贄」の魂まで浄化(昇華)する力を持つ。

青雲(セイウン)学園・・・ 普通の(実は荒廃した)高校だが、悪贄達が紛れ込んで生活をしている。怪事件が続発しているため、ムラクモ学園よりアイ(ヤマト正当後継者)が悪贄退治のため転校生として派遣された。

 

【第二章「来るべき日」】

 

太古より、歴史の陰では、悪贄(オニ)と人間の死闘が繰り返されてきた。

その人間たちは鬼切一族と呼ばれ、男系の巳加百(ミカド)一門と女系の耶魔闘(ヤマト)一門が力を合わせることでより大きな力を発揮することができた。

そして現代、悪贄VS人間の戦いは、新たな局面を迎える・・・・。

 

悪贄族を統べるゴウザンと鬼切一族の若者達との死闘から数ヶ月。ヤマトの正当後継者、亜依(アイ)は、パートナーとなるはずだったミカドの正当後継者ユウキを失ったことから悪贄一族への復讐心に燃えていた。

そんなある日、青雲市で悪贄の仕業と思われる怪事件が続発。アイは青雲学園へ転入を命じられる。

そのアイの前に、ユウキに代わるミカドの正当後継者を名乗る男、前園志刃(シバ)が現われ、ふたりは急接近していく。

一方、ゴウザンと人の間に産まれた少女、西園寺侑姫(ユメ)もまた、父を殺されたことで鬼姫として覚醒し、人間への憎しみを募らせていたが……。

ごく一般の高校を舞台に、因縁の再会を果たす鬼切姫と鬼姫、普通の高校生にやつし現代に生きる悪贄達、アイをサポートするシバらが、互いの信念をぶつけあい、運命を交錯させていく。そして、彼らの前に、新たな脅威が出現する。

怒りと憎しみは鬼切の輪廻を止めることができるのだろうか……。

 

 

【第一章のあらすじ】

 

政府中枢に入り込んでいた鬼族の長「ゴウザン」は、最も恐れるべき鬼切刀「スグハ」がムラクモ学園にあることを知り、総攻撃を仕掛けようとする。

 

その頃、学園にはミカド一門の正当後継者、桂ユウキが転入してきた。イギリスに留学中だったのだが、日本で悪贄が活発に動き出したとの情報を知った政府が日本に呼び戻したのだった。

 

ヤマト一門の正当後継者であるはずの、神崎アイをはじめ、生徒達は本格的な悪贄との戦いを経験していなかった。ユウキは生徒達の訓練を「くだらねえ」と吐き捨てた。

 

悪贄と人間の戦いに終止符を望んでいた、佐倉アイと、ゴウザンの娘ユメは、異父姉妹だった。ユメも鬼である父の身を案じ、アイに夢の世界を通じて戦いをやめるよう呼びかけた。

 

しかし、二人の願いもむなしく、ゴウザンはムラクモ学園の結界を外し、学園そのものを異界へとつなぐパラレルワールドとし、戦いを挑んだ。

 

強力な悪贄達の攻撃になすすべもなかった生徒達だが、一人、また一人と覚醒し、各々の鬼切刀を使いこなして悪贄達を倒して行った。

残るはゴウザン一人。しかし、生徒達もまた傷ついていた。

ユウキが自分の身を投げ出して、アイが覚醒しスグハを手にする。

そして見事ゴウザンを倒したのだった。

感極まる生徒達の前に、ユメが立ちはだかる。ユメはゴウザンが死んだことによって、悪贄の血が完全に覚醒したのだ。

そしてアイ達をたたきつぶし、不吉な言葉を残して消えていった。

新たな戦いを決意しようとした時、ユウキの命が果ててしまう。

ユウキはみなと一緒に戦えた事を感謝しながら、息を引き取った。

号泣する生徒達。アイが立ち上がり、力強く宣言した。

「志は私が継ぐ」

アイが鬼切姫になったその瞬間だった……。